ODAGIRIENNE bis

オダギリジョーに魅せられて

ODAGIRIENNE(オダギリエンヌ)とはフランス語で「オダギリ専門家、研究家、ファンの女性」という意味である。フランス語の読み方の規則に従えば、このスペルだと実は「オダジリエンヌ」という発音になってしまい、オダギリエンヌと読ませるためには、ODAGUIRIENNEにしないといけないのだが、そのへんはODAGIRIのスペルを崩したくないということで勘弁してもらおう。

au FG LIFETIME BLUES 第90回

二人目の物語「消えた旅行カバン」については、海外なのによく荷物が出て来たなあとまず驚いた。日本と異なり、外国では多くの場合、遺失物は戻ってこないという先入観があるので、「海外なのに」と思うわけである。私なら真っ先に盗まれたのかも知れないと思ってしまうところだが、飛行機にしても列車にしても、預けた荷物が持ち主の到着地とは別の場所で降ろされてしまうというのは実際よくあることなので、遺失物係の人は絶対に別の駅で降ろされてしまったに違いないと考えて、毎日いろいろな駅に問い合わせてくれたのだろう。しかも最終的に荷物が見つかったことを、自分のことのように喜んでくれるなんて、なかなかそんな人に出会うという体験は出来ないだろうから、この投稿者さんには旅の神様が微笑んでくれたのだろうなと思う。

遺失物や落とし物については、多くの人がいくつものエピソードを経験していることだろう。私は7,8年前だったろうか。地下鉄の中でハンドバッグを拾ったことがある。降りる乗客の多い駅で、混雑した車内ががらんとしたところで、ポツンと床にハンドバッグが落ちているのに気づいたのである。少し声を大きくして「どなたかハンドバッグを落とされませんでしたか?」と周囲の人に尋ねたが反応がない。放置して誰かがネコババしてしまうのは困るので、降りる予定はなかったが、仕方なくその駅で降りて落とし物係に届けた。幸い数時間後に持ち主が見つかったが、その方はまずご自分が落としたと思わず、スラれたと思ったそうである。現金もクレジットカードも身分証明書の類いも入っていたから、スラれたと思ったときにはショックだったろう。無事にハンドバッグが戻り、喜んでいただけて、こちらもとても嬉しかった。そう、自分のしたことで誰かが喜んでくれるというのは幸せなことなのだ。

【今日の物語】
「ワイナリー」
「消えた旅行カバン」  
「街の香り」
「小豆島の 醤油舟」

【ON AIR曲】
16:09  BEAUTIFUL SURPRISE / INDIA.ARIE
16:19  SMILE - JAPANESE A-SIDE / ELVIS COSTELLO AND THE IMPOSTER
16:31  SMALL TOWN TALK / BOBBY CHARLES
16:43  今日が終わるころに / 青柳拓次

(2023.12.16  J-WAVEにて)

『THE TRUTH』第2話

楽しみにしていたオダギリ出演の第2話。リアルなのかフィクションなのか、フィクションの中に大胆にリアルをぶち込んでくるといった、まあ何でもありという世界だ。「番宣」は不思議感満載。現在公開中の映画『サタデー・フィクション』のポスターを横に置いているのだから、そこだけはリアルなのだが映画タイトルを言うでもなく、本当の番宣ではないところが不思議な感覚だ。と言っているうちに『サタデー・フィクション』は東京では上映館が吉祥寺だけになってしまい、もう一回観たいのにと焦る。

環境活動家(?)としてのオダギリは何と言ってもビジュアルが可笑しい。ああいうヒッピー風の出で立ちは見慣れてはいるものの、髪の毛が凄い!いったん寝転がったらウィッグ(?)が重くて起き上がれないだろう。頭につけているのかいないのか、そればかり気になる。途中で吹き出したのは芝居なのか素なのか?

アーティストオダギリも面白い。ちょっとフジタを思い出させてくれた。例の便器の『泉』の作者とされているマルセル・デュシャン(最近の研究によれば、デュシャン作ではないそうだ)と、サルバトール・ダリと藤田嗣治を混ぜたようなビジュアル。こういうヘンテコがオダギリは似合うね。ヘアメイクには砂原さんとシラトリさんが入っているから、そうそうあのテイストだよね、と思う。昔、あんなヘアスタイルで、雑誌に載っていたと思うのだけれど、思い出せない。黒のタイツと赤のセーターかなんかだった覚えがあるのだけれど。

アフタートークが『サタデー・フィクション』ばりのモノクロ映像で格好良かったし、話も面白かった。豚カツの下などに敷いてある味のないパスタが嫌だという話って、どこかで聞いたことがあるのだけれどこれも思い出せない。オダギリが話したことだったかどうかも定かでない…

翔太くんはさすが企画から関わっているだけに、うまくバランスを取って舵取りをしている感じ。来週の菅田くんも楽しみだ。

(2023.12.12 テレビ東京)

au FG LIFETIME BLUES 第89回

昨日はカンヌ監督週間のトークイベントに行っていたので、もちろんライフタイムブルースはリアタイできず、タイムフリーで今日になってから聞いた。

二人目の物語「真夜中のタクシー」が印象的だった。兎にも角にも、振替輸送でその距離をタクシーでというのは、やはり北海道ならではだろう。もちろん交通網が整備されていない地域はいくらでもあるから、北海道ばかりではないのかもしれないが、札幌から夜中に3時間走る…渋滞もなにもないだろうから、相当の距離を走ることになる。筆者は札幌から地元までは約200kmと言う。凄いな!距離も凄いけれど、70,510円というのはタクシーの乗車賃として聞いたこともない額だ。相乗りのお二人も、運転手さんも良い方ばかりで、辛い一夜にならなくて済んだ筆者は、なんとラッキーな方だろう。

私が経験した一番高いタクシー運賃は2万円台だったような気がする。軽井沢で開かれる友人の結婚式に向かうべく、別の友人夫妻と車で出かけ、関越自動車道に乗った。途中で父が倒れたという連絡が入ったため、私だけ東京にとんぼ返りしたのだ。これも、高速道路の途中では、他に交通手段がなかったのでやむを得ない出費だった。

【今日の物語】
「あのツユ(汁)」
「真夜中のタクシー」  
「忘れない」
「デ・ジョ・ブ」

【ON AIR曲】
16:07  MA COME FANNO I MARINAI(STUDIO VERSION) / LUCIO DALLA & FRANCESCO DE GREGORI
16:19  SHOOT THE MOON / NORAH JONES
16:30  THE LONELIEST / MANESKIN
16:44  HAPPY WITH YOU / PAUL MCCARTNEY          

(2023.12.9  J-WAVE、radikoタイムフリーにて)

カンヌ監督週間 in Tokio『ゆれる』上映 & 西川美和監督×オダギリ トークイベント

【アフタートーク】
登壇者:西川美和、オダギリジョー
進行役:矢田部吉彦

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『ゆれる』は2006年のカンヌ監督週間に出品された作品だ。今回のカンヌ監督週間 in Tokio においては「特別上映」という位置づけだ。『ゆれる』を劇場で観るのは何回目だろう。もう覚えていないが、10回目くらい?年月が経っても本当に色褪せない名作だとあらためて思う。公開当時観たときより作品の持つ深みが増しているように思えるのは、こちらが歳を重ねたせいか。歴史的評価というものは年月が経たないと定まらないものだが、『ゆれる』は映画史の1ページに確固とした足跡を残した作品として語り継がれる存在になったのかもしれない。そして、あんな方もこんな方も出演していたんだよねと感慨深い。

上映後のトークは、椅子が用意されてたっぷりと時間を取ってくれた。西川監督、ちっとも変わらない。例のごとく、昔のことは覚えていないオダギリに比べて、西川監督はかなり記憶が鮮明。当時もいろいろなイベントで裏話は聞いたが、今回もへえ〜という内容が多かった。ただし、オダギリのSNSに書かないでくださいねという但し書きつきのコメントは、終始会場の大笑いを誘う楽しさだったのだが、約束通りここには書かない。そんなわけで、話題は飛び飛びになるが、印象的だったことを書いておこう。
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西川:こんなにお客様にいらしていただけるなんて!アマプラなんかで見られるのに、わざわざ映画館に来ていただいて(笑)『ゆれる』は35mmで撮って、当時はフィルム上映だったんですが、今回のために監督週間側がDCP(デジタルシネマパッケージ)にしてくれて、フィルムの柔らかい感じを残した仕上がりにしてくれました。オダギリさんとも久しぶりです。

オダギリ:こんなこと言うと失礼ですが、観客は20〜30人かと思ったので、ジャージで来ちゃって(笑)こんな大きいところとは思っていませんでした。よかった、酒飲まないで!(笑)

今日の劇場のキャパは約200名。ジャージでと言うけれど、十分お洒落でとても普段着には見えない。

矢田部:お二人は久しぶりに会われたんですね。ロビーでオダギリさんが西川さんのこと「大人になられましたね」と言ったそうですが。

オダギリ:3年前くらいにDVDのコメントかなにかでお会いしましたけれど、たま〜にLINEするくらいです。

西川:実は私、今日は客席一番後ろで観ていました。

オダギリ:今見るとね。タバコなんかも今だめでしょ。自分で車を運転するのもNGですからね。

西川:首都高をオダギリさんが走ってたんですよね。スピードの出ない車で、私が無線で「遅いです」って言うとオダギリさんが「スピード出ません」って。

オダギリ:あの時代に撮れて良かったですよね。

西川:橋の上も危ない撮り方してましたね。

オダギリ:僕はいっさい記憶ないですよ。すっかり忘れてます。

西川:20代最後の作品として残したいからと、私に圧をかけていましたよ。

オダギリ:それは言いましたね。歴史的な作品ですよ。今朝『ディア・ドクター』見たんですよ。鶴瓶さんお上手でした(笑)八千草さんとの二人を見てるだけで楽しいと言うか。

オダギリ:西川さん、危うさのある人に惹かれるんですよ。役所さんとか、あんな素敵な俳優が危うくないはずはないんです。

西川:危うさのある人に惹かれるというのはあるかもしれません。

オダギリ:『ゆれる』の現場は若い人が多いからピリピリしてましたね。


西川:オダギリさんが一番ピリピリしてましたよ(笑)キャスティングもだいたい自分で考えたんですが、猛役はオダギリさんの他に候補はいませんでした。
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オダギリ:西川さんからオファーのときに手紙をもらったんですよ。綺麗な字の。西川さん字が綺麗なんで、作品の題字をいつも書いてもらうんです。

西川:300枚くらい書きましたよ。これかこれかこれが良いと思うんですが、って言ったら「どれでもいいです」って!

オダギリ:何の話でしたっけ、あ、手紙をもらったことですね。夢で見た内容が書いてあって、これを映画にしたいって。

矢田部:僕は木村(祐一)さんが良いと思ったんですけれど、北野武さんが『ゆれる』観て、木村さんを気に入って自分の作品に起用したそうです。

西川:えー!そうなんですか!芸人さんなどが入ると、俳優本業の方だけでやってるのと、ちょっと空気が変わるんです。調子が狂うのがよくて。芸人さんて、テイク1がいいんです。何回もやると恥ずかしくなるらしいんです。

西川:鶴瓶さんはカットがかかるたびに私の顔を見る。オダギリさんと役所さんはアプローチのタイプが近いですね。何テイクも重ねたがらない。

オダギリ:自分が監督するときは、ほぼ1テイク目です。テストを重ねたりしないです。テストを重ねると、前のテストをなぞったりしだすから(例えば1テイク目のあそこと2テイク目のあそこを生かして…とか)、それがもう計算の芝居になっていって面白くない。

矢田部:外国の映画祭で、日本とは違う反応があったという経験はありますか?

オダギリ:『ある船頭の話』でイスラエルの映画祭に行ったんですが、砂漠の真ん中にスクリーン置いて、野外で上映する素敵な映画祭なんですが、「雨」の意味が変わるんです。僕は雨と死を組み合わせたわけですが、向こうは乾燥地帯ですから雨は不吉でもなんでもなく、恵の雨なんです。それで「死と雨を組み合わせるのは面白いね」と言われました。

最後の締め。
オダギリ:もう胸がいっぱりで言葉もないですね(笑)これからインフルエンザやコロナなどに気をつけて年末年始をお過ごし下さい。よいお年を。これからも西川をよろしくお願いします!


西川:全然映画の話をしてくれなかったですね!映画って残るから怖いなと思います。これくらい経つと何を書いたか細かいところは自分も忘れていて、嫌なこと言うな木村さん、とか思いました。編集点が気になって、もっと削れるのにと思ったり、時代の緩さを感じますね。オダギリさんとも戦友とまでは言わないけれど、どこかで繋がっていますね。

トーク後に嬉しいことに観客にも撮影が許可された。かなり前の方の席だったがオダギリの帽子の影が!とにかく観客がたくさん入ったことにお二人とも喜んでいただけたようで良かった!

(ヒューマントラストシネマ渋谷  スクリーン1にて)

「フロンティア」第一回 日本人とは何者なのか

大変面白かった。最先端の技術で明かされる謎にワクワクするし、技術を駆使して研究を進めるフロントランナーたちの真摯で楽しげな顔に感動もする。また取材陣の熱の入れ方もしっかり伝わってくる。

オダギリのナレーションはひと言で言えば「生(なま)」で、隣で語ってくれているような親近感も覚える素敵な仕上がりだ。これまで数々のナレーションで声を聞かせてくれているが、今回のは出色の出来映えではないだろうか(何様発言お許しを!)。

まさに白川プロデューサーの言う「これまでと同じではない伝え方」「テーマにあった語り口」が実現されているように感じる。別テーマでどう語り口が変わるかも注目しよう。

新装なったBSを印象づける目玉番組だということはわかるが、地上波で放送すればいいのにと思ってしまう。

(2023.12.6 NHK BS)

au FG LIFETIME BLUES 第88回

今日は四人目の物語「魔法の言葉」が面白くて、ニヤニヤしてしまった。筆者が意識してかそうでないかはわからないが、オダギリ出演の映画『アジアの天使』をすぐに連想させる内容だったからだ。オダギリ演じる透は韓国で暮らすために必要な言葉は二つだけ、「ビールください」と「愛してる」だと言う。

それとは性格の異なる言葉ではあるが、筆者の語る「お腹が空いて死にそうだ」は、コミュニケーションの入り口としてうってつけの言葉だったのだろうと思う。これを聞いて嫌な気分になる人はおそらくいないだろうから。ちなみに私が一番始めに覚えた韓国語は「ヨボセヨ」だった。

【今日の物語】
「ニューヨーク、ニューヨーク」
「出雲への旅」
「ホストマザー」
「魔法の言葉」

【ON AIR曲】
16:08  NEW YORK,NEW YORK / LIZA MINNELLI
16:18  RAINY DAYS ON THE SIDEWALK / MONDO GASCARO
(16:26  MY LOVE MINE ALL MINE / MITSKI)
16:37  HALLELUJAH / HAIM
16:45  SO TENDER / SAY SUE ME

(2023.12.2  J-WAVE、radikoタイムフリーにて)

オダギリ、松田翔太主演テレ東ドラマ『THE TRUTH』第2話に出演

噂になっていた何か面白そうなドラマ/架空のニュースショーが発表になった。12月5日から放送が始まり、オダギリは第2話に登場する。

・オダギリジョー&菅田将暉、“本人役”で登場! 松田翔太主演「THE TRUTH」(CinemaCafé)

・企画・主演松田翔太『THE TRUTH』菅田将暉、オダギリジョー、柄本時生ら豪華キャスト陣公開(クランクイン!)

・オダギリジョー、菅⽥将暉ら『THE TRUTH』出演!企画・主演・松⽥翔太「実現できて⼼から嬉しい」(TVer)

・オダギリジョー、菅田将暉、柄本時生、寺本莉緒らが『THE TRUTH』出演決定!企画・主演を務めた松田翔太の思い、企画に賛同【コメントあり】
(TV LIFE)

・オダギリジョー&菅田将暉、テレ東ドラマで“本人役”出演 主演&企画・松田翔太の思いに賛同「正直手ごたえはありません」(Oricon)


au FG LIFETIME BLUES 第87回

一人目の、今回は私がおごるから今度別の人に貴方がおごってあげてください、という循環の物語。似たような話を聞いたことがあるような、ないような。本当にそのように続いていくのなら素敵な話だけれど、ひねくれた私は自分ばかりがおごる、あるいはおごられる可能性もあるななどと考えてしまった。すべてはタイミングと出会った人同士の繋がり具合にかかってくるのかもしれない。

二人目の物語。昨今は万引きや凶悪な窃盗事件も多いが、日本に住んでいると「盗む」という行為はやはり特殊な出来事であり、盗むことは悪いこと、悪いことをする人は悪人とつい考えてしまう。詳しくは語られないが、子どもの誰かが軽い気持ちで(なぜなら彼の地ではおそらく盗むことは特殊な出来事でないから)ストップウォッチを盗み、先生が考案した盗んだ者を特定せずに返させる方法に心を打たれて返すべきなのだと悟り、返したということなのだろうか。周りの子どもたちの反応からして、これまでにそういう対処の仕方をしてくれた大人はいなかったようだ。こういった経験を通して、盗むのはいけないことという道徳心が子どもたちに芽生えればいいなと思う。

【今日の物語】
「旅の夜」
「消えたストップウォッチ」
「ヨガの午後」
「好きなこと」虫

【ON AIR曲】
16:09 ALWAYS / JUNIP
16:22 UNDER AFRICAN SKIES / PAUL SIMON
16:34 SUNRAY / ROSIE BROWN
16:44 SWEET OLD WORLD / EMMYLOU HARRIS

(2023.11.25  J-WAVE、radikoタイムフリーにて)
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