ODAGIRIENNE bis

オダギリジョーに魅せられて

映画賞

ODAGIRIENNE(オダギリエンヌ)とはフランス語で「オダギリ専門家、研究家、ファンの女性」という意味である。フランス語の読み方の規則に従えば、このスペルだと実は「オダジリエンヌ」という発音になってしまい、オダギリエンヌと読ませるためには、ODAGUIRIENNEにしないといけないのだが、そのへんはODAGIRIのスペルを崩したくないということで勘弁してもらおう。

第8回 TAMA映画賞授賞式

多摩映画祭自体はもう26回目を迎える。7年前に立ち上げられたTAMA映画賞は、今年で8回目。年々充実度が増しているという。この映画賞の授賞式に初めて行ってきた。多摩センターという駅で降りるのも初めて。駅前の繁華ぶりには驚かされる。さて、今年の授賞式の登壇者は本当に華やかだ。全員集合写真はすでにWebニュースでも取り上げられているから、オダギリの受賞コメント中心に書いておこう。

午前11:10から『ちはやふるー上の句ー』の上映、午後には『オーバー・フェンス』の上映、それに続いて授賞式。終わったのは19:00過ぎという長丁場だった。授賞式のあとも『団地』の上映があったのだが、さすがに遅くなるので、授賞式まででパルテノン多摩を後にした。

この映画賞では、一人一人の受賞者に対して、授賞理由の異なる賞状が渡されるのも特徴だ。最優秀女優賞の蒼井優、小泉今日子への授賞のあとが、いよいよ最優秀男優賞のオダギリ。『オーバー・フェンス』と『FOUJITA』での受賞だ。それまで神妙に受賞者の声に耳を傾けていた観客が、オダギリ節を境に笑う場面が増えてくる。やはり存在感が抜群だし、オダギリがこういうコメントが苦手なことも良くわかっているからこそ、興味津々で発言を聞く観客が多いように思える。

オダギリが受賞の挨拶をし始めると「今日もカッコイイ!」というひときわ大きな男性の掛け声が客席から聞こえる。その声にちょっと調子がくるったのかえ〜と、あのう…あ、まずありがとうございます」とコメントを始める。この手の挨拶にいつも困り顔のオダギリが、何を話すのかと客席も固唾を呑む(ってほどでもないが)。

「11月19日というのは、あの有名な松崎しげるさんの誕生日で、まさかそんな日に僕がこんな賞をいただけるなんて、ありがとうございます」(客席は、ああやっぱり!というようなクスクス笑い)

MCの『オーバー・フェンス』での演技はいかがでしたか、という問いに
「いかが…は難しいですね。山下監督もほぼ同い年で、とてもいいスタッフ、キャストが集まって、非常に楽しい現場だったので…えーと、蒼井さんも素晴らしかったし…今、(観客の皆さんは)見終わったんですよね? それが、喋りにくさでもあるんです。とにかくみんな頑張ったんじゃないですかね」

『FOUJITA』の役柄は難しかったのではないか、とMCが水を向けると、
「フジタというのは、実在された方、伝説が残っている方、今でもファンの多い方、そんな方を演じるというのは恐縮したんですけれど。小栗監督というのは変わった方で、演出の仕方も変わっているんです。ある意味演じるのは「楽」でした。楽というのは、『FOUJITA』では、芝居をどんどの削って無にしてゆく作業だったので、本当は楽ではないんですが、存在の仕方が楽だと…話がどこに着地するのかわかんなくなってきました。あ、『FOUJITA』でも賞をいただいたってことなんですよね? 暑いですねー!暑くないですか?!」(確かに会場はしっかり暖房が効いていて、ロング丈のジャケットを着ているオダギリは暑かっただろう。

これからのことの聞かれて、
「いや、わかんないですね、先のことは。今って、何か生きていけるじゃないですか、バイトとかして。嫌なことをやってまで俳優をしていこうとは思わないので、今後はどんどん狭めていくと思います。人生が楽しければいいかな」

オダギリの後は、同じく最優秀男優賞を受賞した三浦友和だったのだが、「オダギリ君の後はやりづらいです」が第一声だった(笑)三浦が「11月19日は…」と話を続けるので、場内爆笑。「偶然ですが、結婚記念日なんです。今日こうやっていられるのは、妻のおかげです」と、ほのぼのとするコメントだった。

最優秀作品賞を『オーバー・フェンス』とともに受賞した『団地』の阪本順治監督は、コメントの最後に今後の予定を聞かれて「クソみたいな映画界、もう辞めてやろうと思ったんですが、それでもこの間オダギリ君と1本撮りました。革命を目指す日系人の役で、(オダギリの出で立ちを見て)もう跡形ないんですけど。『エルネスト』という作品で、来年公開です」と答えた。

最優秀作品賞の『オーバー・フェンス』では、山下敦弘監督が登壇し、しばらくしてから蒼井優とオダギリもそばに呼ばれた。オダギリは「女優賞と男優賞と3つも賞をいただく経験は初めてで嬉しい」と述べ、「さっきと同じになっちゃいますが、いいスタッフ、いい俳優が揃って、愚作になるはずがないと思っていました。好きな作品ですし、10年後20年後も残っている作品だと思います」と締めくくった。

ひとりひとりに丁寧にコメントを求め、時間をたっぷりとった授賞式だったので、ずいぶん長い間楽しめた。蒼井優がこの映画賞は、楽屋も暖かい雰囲気と言っていたので、『オーバー・フェンス』の仲間や、共演経験のある小泉今日子や三浦友和、仕事をしたばかりの阪本監督などと会えて、オダギリも楽しんだのではないだろうか。

(2016.11.19 パルテノン多摩大ホールにて)

報知映画賞の助演男優賞にオダギリがノミネート

第38回報知映画賞のノミネートが決定し、オダギリが『舟を編む』で助演男優賞に選ばれている。実は私も同映画賞の一般投票で、オダギリを助演男優賞に入れたのでこれは嬉しい。

・報知映画賞、ノミネート決定!(スポーツ報知)
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